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部屋でひとりPCに向かっているなう。

Twitterで吐き出しきれないことをこちらに出したりしてます。保育園の待機児童問題など。

児童福祉法24条の意味

大田区保育園問題

ちょっと気になるのでメモ。

 

「保育園入所不承諾に対する異議申し立て」の文書に、異議申し立ての根拠として「児童福祉法24条に違反」という文言を添えていることがあるようです。

 

弁護士さんの助言を受けているということも聞き及びましたが、個人的には、これに対する罰則規定があるわけではないので、このように書くことの効果がどれほどあるのかということが気になっていました。

 

児童福祉法24条の条文は次の通りです。

 

児童福祉法24条 

市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。

ただし、保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるときは、家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。 

 ※改行筆者

 

情報収集のつもりであちこちWebをさまよっていたところ、保育園入園に

関する裁判の記録を発見しました。

東大阪市で起きた保育行政に対する裁判です。

 

平成13年度時点で、待機児童数が日本全国ワースト1という東大阪市は、

入所選考基準をまったく公表せず、不透明どころかブラックボックス状態だった

そうです。

これを行政手続法に違反するとして市民が起こした裁判がありました。

詳しい内容についてはこちらのサイトを参考にしていただくとして、

結果としては、大阪地方民事裁判所は東大阪市に対し、原告に慰謝料の支払いを

命じており、原告の勝訴となっています。原告は控訴せず、終結です。

 

しかしながら、弁護を担当した弁護士さんの判決に関する解説を読むと、

ちょっと気になることが書かれていました。

2002年6月28日東大阪保育所入所裁判

 

まず、児童福祉法24条本文等による市町村の「保育所整備義務」に対しては、判決は、児童福祉法1条・2条等が要求する「児童の育成責任」は、保育所整備の政治的責任・指導理念を定めたものにすぎず、市町村に対し、保育所の設置に向けた特定の具体的行為を行うことを義務づけたものではない、として否定した。

 

 また、判決は、本件での原告らが養育する児童が、それぞれ共同保育所に入所しており、その共同保育所に補助金が支出されていることをもって、24条但書の「その他適切な保護」に当たると判断し、補助金額が認可施設に比べ少ないことをもっても、その判断は左右されないとした。

※改行及び太字は筆者

保育所整備はあくまで「政治的責任・指導理念を定めたものにすぎない」という

部分。

「特定の具体的行為を行うことを義務付けたものではない」ということは、

多少なりとも定員を増やしたり、認可保育園を新設したりしている事実が

ありさえすれば、こうして裁判上で示されている(判例がある)以上、

別の裁判で覆されることがない限り、自治体側は「(児童福祉法に)違反

しているとまでは言えない」という主張ができるのではないか、

ということが気になりました。

 

あくまで自治体を相手に裁判をした場合の話ですし、今この時に心配すること

ではないのですが……。

 

ただ、このように判示されていることが、今困っている親たちにとっては

心もとない事実であることには違いないと思うのです。