読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

部屋でひとりPCに向かっているなう。

Twitterで吐き出しきれないことをこちらに出したりしてます。保育園の待機児童問題など。

賛否ありすぎるだろう本『「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもの』

「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもの

「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもの

基本的に、現状、保育園児の親である人、もしくは過去に保育園児の親であった人が
この本を読むと、多少血圧が上がると思うので要注意です。

理由の一つを挙げると、政府の「育休3年制度」に賛否が
入り乱れていますが、その育休3年制度を唱えているという立場です。

それから、この本の著者は社会福祉法人における保育園の経営者です。

「保育園が家庭の役割を代替えすればするほど家庭は本来持たなくてはならない力を
失っていく」
という主張をしています。


著者が言いたいことは、だいたいこんなところ。

1.「3歳児神話」は間違っている、は間違っている
2.規制緩和には反対である

3.規制緩和による保育園の企業参入は反対、なぜなら保育の質を落とす
  (主にJPホールディングスの批判)

4. 保育のニーズに応えていくと、やがて子供が問題を抱えることになる
     (学級崩壊、いじめ、学力低下、新型うつ、生活保護etc)

5.なぜ、母親を働かせようとするのか。
  母親は働かないで若者が働くべき。

6.親のニーズに応える保育園(これを「便利な」保育園と形容)は危険

7.保育園の真の役割とは何か(著者が経営する保育園の内容)


全般的に、乳幼児期に家庭で育てられないことが、後の問題につながるという
論なので、保育園経験のある人は著者の主張に一部は賛同できても、
不愉快な気持ちになってしまうと思います。

結局は「3歳までは自宅で育てよう」ということだけども。

著者の主張は、本書の結びにある「私案」とする
「親心を育て、子どもを健全に育てる保育制度」の中に出ています。

以下抜粋。

・3歳までの子育ては親がすべきであることを国民の共通の意識としましょう。法律や条令になればもっと
良いと思います。

・生後1年間は、子供は親から話してはいけないという法律をつくりましょう。できれば、その期間を1000日までに
延ばしましょう。

・育児休業制度は満3歳になった翌年の4月までを義務づけ、大企業も中小企業もそれが実行できるよう、
国が財政的に支援しましょう。
(略)

・パートで5万円程度の収入を得るのに0歳や1歳の子を保育園に預けて、高額な保育費をかけるのは、
とてもおかしいです。

・とにかく、保育士の給料を上げましょう。

・長時間保育は子供には負担が大きく、子供の心に悪い影響が出ますので、直ちに1日6~7時間の
保育を限度としましょう。

本当はもっと書かれていますがこの辺で。

一章分を使って自分の保育園の保育内容を紹介していたりするし、
「パートで5万円の収入を得るのに~保育園に預けて」とか言っちゃうあたりが
ダウトだったりします。
が、こんなにイライラしながら読んでいるのに、
賛成したいこともあったりするんです。

規制緩和によって保育の質が落ちることはもちろん反対です。
かといって、企業参入がすべて悪なのか。
悪にならないようにするのが政治家の役割であり、政治家にそれをさせるのは
我々のやるべきことだと、最近は特に思います。

そして、自分の体験からも、長時間保育は親子ともに負担ですし、
できればしたくありません。
子供が病気になれば「気兼ねなく」欠勤したり早退したりしたいです。

現在、保育園で子供が過ごしている親なら、みんな同じことを
思っているはず。

この本を読んでいると、著者は、このような苦く重い問題を抱えながら
子育てをせざるを得ない心情であることを知らないのかなあ、
という気分になるのですね。

何でだろう、と思っていたら、こんなエピソードが書かれていたからです。

預かっている0歳児が39度2分の熱を出しました。保育士が母親の携帯に電話しても
出てくれません。
(略)
お子さんが39度の熱があるので、早く迎えに来てほしいと告げると
「仕事だから迎えに行けない」といいます。
(略)
やっと、夕方の5時半になってやってきました。そこで、園長はお母さんを呼び止め、
どのような心づもりであるかを聞きました。
そうしたら、「子供を見るのはあんたたちの仕事でしょう。」

このお母さんの物の言い方は確かにアレで、ちょっと極端な例という気がします。
しかし、なぜ迎えに行けないのかという相手の立場にたった言及が
ないのですね。


著者の保育園では、懇談会の時にこんな話をするそうです。

「保育の問題は40年後の介護の問題。子供の時の親子の絆が固ければ、
仮にいろいろな状況に陥っても、子供は親を支えてくれると思います」

こんな話されたら鬱になりそう……。
介護のために子供を育てるわけではないですしね。


最後まで真面目に読むと「子供を保育園に預けてしまって申し訳ない」という
気持ちになってしまいそうでした……。
でもそんなことを思うと、お世話になった複数の保育園の先生方に
失礼になりますね。