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「雲の階段」三郎と梶井基次郎『檸檬』

梶井基次郎の『檸檬』は青空文庫にあります。

昨日の「雲の階段」最終話で、院長職をクビになって離婚された田坂元院長が
三郎を見つけて、梶井基次郎の『檸檬』の話をし出したというシーンが
放映されたものだから、一時的に『檸檬』の検索数が多くなったらしいですが
本当だろうか、と思いつつこのエントリを書きました。


どんな作品なのかを知らない方は、短編なので、
上記の青空文庫のリンクからご一読をおすすめします。

『檸檬』という話は事実だけを切り取って説明すると、丸善(書店)の店内で
画集を積み上げ、そのてっぺんにカリフォルニア産レモンを置いて帰ったという話です。
こうして書くと、単に書店員さん泣かせというか迷惑行為というか、そういう
話なんですが、問題は主人公および作者の梶井基次郎の背景にあります。

この作品を書いた当時、大正14年頃の梶井基次郎は肺病を患っていました。
肺病は当時なら不治の病と言えるものです。
病気を抱え、死の恐怖を感じて鬱屈した心をどうにかしたいという願望が
あったのではないかと思われます。

肺結核のために31歳の若さでこの世を去り、死後に評価されましたが
その中でもとりわけ『檸檬』がシンプルに、現状をぶちこわしたいという
欲望を色鮮やかに表現していることで支持されています。

レモンの色と、様々な色が合わされている画集との色の対比やインパクト、
それが「丸善」という場所で行われていることなど、解釈のポイントに
なるところはたくさんあります。

また、舞台が「丸善」であるということもポイントのひとつになります。
なぜ丸善だったのか、別の店ではだめだったのか。
そう考え始めると、物語の解釈は楽しくなります。

丸善といえば現代の私たちにしてみれば老舗書店という位置づけでしょうが、
当時からすれば非常に近代的な商店であり、多くの文豪に好まれていました。

なので、丸善はいまでも、店を舞台にしたこの作品は、
大正・昭和の文豪に愛された証拠であると考えているようです。
その証拠に、丸善の公式サイトには「文豪に愛された丸善
として、『檸檬』を紹介しています。


作品の評価や解釈は人それぞれでしょうが、
鬱屈したものを爆発させたいという気持ちは強く感じられます。


その『檸檬』がまさか、田坂元院長の口から語られるとは、と思いながら
見ていましたが、何もかも失った田坂元院長、爆弾を爆発させるべく
三郎を刺したんですね……。

8話あたりで三郎について「(我々は)爆弾を抱えている」と事務長が
言っていましたが、『檸檬』でも、レモンそのものを「爆弾」に見立てている
ところにつなげていたのかもしれないなと思いました。



ハセヒロさんには肺病の文学青年の役とか、逮捕される役が似合うなあと
思った最終回でした。

檸檬 (新潮文庫)

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サントリー C.C.レモン 1.5L×8本

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