部屋でひとりPCに向かっているなう。

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「一人でも多く殺したろうと」『宅間守 精神鑑定書』読了

以前のエントリでこんなことを書きましたが、
宅間守の精神鑑定書が出版されたそうだ
ようやく購入しました。


内容は想像を絶するものでした。
このエントリのタイトルにある
「一人でも多く殺したろうと」は、宅間が実際に鑑定を担当した医師に
事件のことを話したセリフです。

大阪教育大附属池田小事件は、今思い出しても凄惨としか言いようのない
事件ですが、この人物ならこんな事件を起こしてもおかしくないという
説得力すら感じます。


気に入らないことがあると、すぐ顔に出るとか、
腹が立つとすぐ手が出てしまうような人は、案外どこにでもいるものですが、
そうした人が犯罪を必ず犯すかといったら、そうとは言えません。
たいていの人はそうした欠点を注意され、意識して表面に出ないように
するでしょう。

ところが宅間守は、まるで息をするように人を攻撃し、嘘をつく。
精神鑑定書は「家族歴」から始まりますが、すでに小学生の頃から
そうした兆候は見えていました。

犯罪者は時として生育歴が問われますが、宅間の場合、医師はこのように
判断したようです。

統合失調症(当時は精神分裂病)や広汎性発達障害(なかでもアスペルガー障害)
ではない、と判断しました。
「幼少期にネグレクト(親による育児放棄)があった可能性もありますが、
そのことに重要な意味があるとまでは判断しませんでした。
(まえがきより)

家族歴のあとは「本人歴」といって、幼少から高校、社会に出て働き、
結婚と離婚に関することが詳細に調べられています。


ごくわずかな時間ですが、真面目に働いていたり、
礼儀正しい面を見せるということもあったようです。
しかし、それは宅間と接した誰もがすぐに裏切られることになります。

また、宅間は4人の女性と結婚と離婚を繰り返しています。

※このあたりの記述について、特に女性は大変な嫌悪感を受けるかも
しれません。これから本書を読もうとする方はご注意ください。

初対面は明るく真面目な男性であるという好印象を女性に与え、肩書きや職業は
嘘をつき、その嘘がばれる、の連続でした。
自分から離れる女性を徹底的に侮辱し、精神的にも肉体的にも大きく傷をつけ
ていました。

しかし、これだけの粗暴で奇異な行動をとっていたにも
関わらず、統合失調症などとの関連が見られず、ある意味「正常」な
状態であの事件を起こしたということと言えます。


宅間守という人間を何かに例えるなら、何がふさわしいのか。
「モンスター」「化け物」「怪物」と、表現はいろいろありますが、
とにかく、大変なものがこの世に現れ、去って行ったとしか言いようが
ありません。
宅間の“威力”には、思考停止するしかありませんでした。


本書には宅間が事件について話したこと、事件までの生活上起こしてきたことも
明らかにされています。

ご存じのように、最期の瞬間まで反省や後悔の念を口にしたことがなかった
この人物は、拘置所の中で精神鑑定を受けている間も、その態度を変えて
いません。

被害者の親類縁者や同級生、少しだけど顔を知っていたなど、事件と何らかの
関わりがある方は、本書を手に取るかどうかを慎重に判断なさってください。