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部屋でひとりPCに向かっているなう。

Twitterで吐き出しきれないことをこちらに出したりしてます。保育園の待機児童問題など。

婚外子という差別はなくせるものなのか

やっぱりこういう判断になりましたか、ということでニュースの詳細は
こちらに。

ちなみに非嫡出子は認知されていることが前提なので
「日本全国のお妾さんヒャッホーじゃん」とかいうコメントをTwitter
見かけたけれど、認知されていなければ無関係です。
相続が発生したら自動的に受け取れるわけではありません。

さらに、相続は債務も含まれることになるので、男性が一見金持ちだけど
実は借金だらけ、という場合が一番大変でしょうね。


認知は男性が認めなくても強制認知が出来ます。が、
子どもの戸籍にはその旨が記載されます。
あとは遺言によって認知してもらうという手もあります。

強制認知の件数が増えたりして……それはそれで
子どもにしてみたら嫌な話ではないですかね。


「婚外子」相続差別 最高裁が違憲判断 NHKニュース

この中で原告の婚外子である方(といっても、子どもではなく40代)は
「(婚外子に対する)差別のない社会が築かれることを強く願います」というけれど、
個人的にはかなり難しいことじゃないかと思ってます。

婚外子という設定で思い出すのがこの漫画、里中満智子さんの『愛の時代』。
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愛の時代(1) (フレンドKC)

愛の時代(1) (フレンドKC)

最初に読んだのが小学校高学年だったか中学生だったか……
記憶に頼りつつ簡単にストーリーを説明しときます。

主人公の「麻生由希」は「仕事で忙しく月に1度しか帰宅できない」という父と
ブティックを経営している母との間のひとり娘。

由希はある日、ひょんなことから自分が「めかけの子」であること、
つまり婚外子であることを知る。
実は父親は有名なデザイナーで、本妻と娘がいて、自分の母親とは結婚して
いなかったのだ。

いろいろな混乱を経て、由希はデザイナーとしての才能を
発揮していく。

この中で、由希はやはり「婚外子」であることから差別されるという
描写があります。

まず、近所の人や子どもが「あの母子の家庭は妾と子どもである」
と知っている。なぜか知っている。
そのため、由希は別の家の子どもから「めかけの子のくせに!」と
いじめられる。
(そしてそれをかばう男の幼なじみもいる)

自分から言わない限り、その辺の事情など知るわけもないので
差別する連中がどのようにして由希の事情を知ったのかはわからない
です。読み返さないと。

由希は事実を知ってショックを受けるが、母親は決して
父親である男性と結婚しようとしません。
繰り返し「ちゃんとしたいんだ」と言われるものの
「いいの、私はこれで幸せなのよ」などと言うのです。

物語の中では、なぜそこまで拒否するのか不自然なくらいわからないが
「妾」の立場のまま控えめにすることが美徳であり、愛の形のひとつで
あるという表現だったように記憶してます。
(里中満智子の「愛至上主義」の手法ですよこれ!)

だから、読者は主人公とその母親に同情的になれちゃいます。

物語の流れでは、その後母親が死に、父親の元に引き取られます。
本妻とその娘からは当然ながら恨み言を言われて針のむしろのような
生活になります。

相手は異母妹なわけですが
「パパをとらないで!」などと言われ、由希は暗い面持ちになります。

最終的に由希は男性との恋愛を通して精神的にも経済的にも自立して
いく、というオチです。

この漫画は「週刊少女フレンド」という少女向け漫画雑誌に
連載されていて、5巻まで刊行したのだから、そこそこ連載が続き
支持もあったのだろうと思います。
昔の中学生がこんなヘビーな内容のストーリーで満足していたであろう
ことにもびっくりですが。

妾でありながら控えめな主人公の母親、自立しようとする婚外子の娘が
支持されると思うのは
「妾とその子は控えめにすべし」という意識が自分の中にあるからで、
さらに、そのように考える文化が古くから日本にはあったんじゃ
ないか。

そして妾が2,3人いようが、本妻はデンと構えていればよろしいという
考え方も、どこかからか脈々と受け継がれてきたものなのでは
ないのか。

出所がわからないけれども、そんな気がするし、この考えが合っていたと
したら、婚外子への差別をなくすのはかなり骨が折れる作業になるのでは
ないかと思うのです。

今回の裁判がどういう経緯を経て裁判に発展し、ついには最高裁にまで
持ち込まれたのかを把握していないのでわからないけれど
相手方の嫡出子たる方は

「私たちの母は法律の規定を心の支えに40年間、精神的苦痛に耐えてきました。」と
コメントしています。

このコメントを無視することは私には難しいですね……。

これを機に民法が改正されても、国民皆が簡単に納得する場面の
想像がまったく付かないので、婚外子差別をなくせるのか、と
聞かれればぶっちゃけ無理だし、あの漫画の主人公たちのように
控えめに暮らしてなければ支持はされないと思ってます。

まあ、一番悪いのは父親と大人達なんですけどもね。

和歌山の非嫡出子の方がどういう経緯で「2分の1は不公平だから裁判する!」
となったのかが知りたいところです。

遺産相続は金額の多寡関係なく、もめるときはもめます。

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